04:ウォーミングアップについて

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今回は、普段行っているウォーミングアップについて紹介していきたいと思います。
「ウォーミングアップ」と言うと、少しジョギングなどで身体を温め、コートに入りボールをゆっくり打ち始めることをイメージする方も多いのではないかと思います。
軽くジョギングをすれば体温を上げることはできるのですがボールを打つ、コートを切り返すなどの場面で使われる筋肉を調整するには、これだけでは不十分です。テニスで使用する筋肉を可動域いっぱいに動かす運動が必要になってきます。

まず、ウォーミングアップの目的について説明をしていきたいと思います。
ウォーミングアップの目的は大きく分けて生理学的目的と心理的目的に分類されます。
身体の機能の側面から考える生理学的目的として、
  1. 筋肉の適応能力を高める
  2. 呼吸循環機能の適応を円滑にさせる
  3. 神経の伝達速度を高める
  4. 筋・腱・関節の柔軟性(可動範囲含む)を向上させる
が挙げられ、
心の動きから考える心理的な目的としては、
 (1)集中力を高める
というのが挙げられます。

これをウォーミングアップの効果からみていくと、

1.筋肉の適応能力を高める
筋温の上昇が、身体の代謝を促進する。筋肉の粘性(筋肉の長さが変化することへの抵抗)低下が起こり、筋力発揮がスムーズになる。同時に、関節内の潤滑油とも言われる滑液も十分に分泌され、関節運動も行いやすくなる。
このことにより、筋収縮でのエネルギー消費が低減、作業効率が上がり、筋肉の運動への適応が起こる。

2.呼吸循環機能の適応を円滑にさせる
酸素の摂取効率が向上し、空気中から取り込まれた酸素が筋肉で利用されやすくなる。

3.神経の伝達速度を高める
中枢神経の興奮を高めることにより、外部刺激に対する反応時間を短縮することができる。

4.筋・腱・関節の柔軟性(可動範囲含む)を向上させる
ウォーミングアップによる柔軟性の増加には、筋の粘性低下、拮抗筋の緊張低下、関節可動域の拡大が関与している。
十分に筋温を上げてからストレッチを行うことにより、より効果的に柔軟性を高める事ができる。
次に具体的なウォーミングアップの順序について説明していきます。
まず筋温を上げるため、ジョギングやバイクなどの有酸素運動を行います。時間は気温などによって変えているのですが、5分~10分程度、少し汗ばんでくるくらいは行うようにしています。
写真1
写真1:仁木拓人プロ・遠征中のウォーミングアップの様子。ジョギングやバイクを漕ぐなどの有酸素運動で身体を温めていきます。

身体が温まってくれば、股関節周辺のその場で行うストレッチングへ。少しずつ可動域を広げていきます。
写真2
写真2:その場で行う股関節周辺のストレッチングの様子



はじめに下半身から動かしていく理由としては、人間の身体の中でも大きな筋肉の多くは下半身にあり、股関節周辺を含む下半身を効率良く動かしていくことで血流が上昇、筋温も上がりやすくなるためです。

ここでのストレッチングは、これからテニスで動くための準備を行っているので、動きを伴うものをメインに。
次に、ステップを入れながら練習や試合の開始に向け、よりダイナミックに動きを入れ、筋温や心拍数を上げていきます。

伸びている場所を感じながら、その日の状態を把握。伸ばしている筋肉にスイッチを入れていくイメージで。

そして、股関節と並び動きの大きい関節である、肩関節周辺のストレッチング。動きを変えながら、刺激を入れていきます。

その後、自体でのエクササイズを行い、テニスの中で使う筋肉に事前に刺激を入れ、ボールを打ちはじめたときにすぐ働きやすい状態にしていきます。
写真3
写真3:自重エクササイズ(写真ではチューブを使い強度を上げて行っています)



仕上げにダッシュや切り返し、リアクションを伴う内容を行い、プレー中に想定されるくらいまで運動の強度を上げていきます。一度ウォーミングアップの中で、しっかり上げておくことにより、プレー中の心拍数などの急激な上昇を防ぐことができ、上がったとしてもそこからの回復を早めることができます。
写真4
写真4:写真左 ダッシュ  写真右 メディシンボールを使用してのウォーミングアップ

最後に、ウォーミングアップの心理的目的である「集中力を高める」ことも忘れず行っていきましょう。徐々に身体の準備をするとともに、練習や試合に向け心の準備を行い、心身ともベストな状態でコートへ!

是非普段のウォーミングアップに取り入れて、行ってみて下さい!!

みんラボ研究員フィジカルトレーナー・横山正吾でしたv^^v